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西伊豆町で自然の恵み、伝統産業、人の温かみにふれあうホンモノ体験旅行

実施校:
静岡市立美和小学校
小学校
6年生/18人
実施時期:
2011年7月12日~7月14日(2泊3日)
協議会:
NPO法人伊豆自然学校(西伊豆町)
学び&体験のねらい
豊かな自然環境の中で、漁村の民泊体験などのホンモノ体験を通して、自然環境の重要性や、人とのつながりの素晴らしさを学び、健やかな心や自立精神を育みます。

体験の概要は?

西伊豆町は伊豆半島西岸に位置するのどかな町で、澄んだ海やジオパークなど自然環境が豊かです。漁業体験では、実際に漁船に乗船し、漁師の仕事の話を聞き、魚を釣り上げ、西伊豆町の自然の恵みを体感します。漁村の民泊体験では、民宿を本当の家、民宿のお母さんを本当のお母さんのように身近に感じ、生活します。民宿での手伝いや食事、団らんでお母さんとゆっくりを話をしながら交流を図ります。

学習のポイントは?

「トンボロ体験」や「シュノーケリング」などの自然体験をすることによって、自然・生命を尊重する心を養い、自然環境の素晴らしさと大切さ、環境の保全に関心を高めます。ジオパークで地質遺産や多彩な海岸地形を観察し、地質や歴史的背景を学習し、地球活動や科学について関心を深めることができます。「フェリー体験」「鰹節工場見学」の産業体験では、人の仕事風景を目にし、体験することによって、職業観や勤労観を育みます。また、その地域ならではの伝統的な技術、製法などを知ることによって、伝統文化を尊重し、伝承していくことの意義を学びます。民泊体験の民宿のお母さんとの交流を通じて、おもいやりの心や感情表現の仕方を身につけ、コミュニケーション能力の向上や、集団行動の重要性、協調性などの自立心を身につけ、豊かな心と人間形成を図ります。

この学校の事前・事後学習を見る

体験風景1
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体験者の声

私が行った日はとても暑かったのに、協議会の鈴木さんは私たちと一緒に歩いてくれた。泳いでくれた。笑ってくれた。嬉しかった。この西伊豆の修学旅行でいろいろなことを教えてもらった。人の温かみ、自然の素晴らしさや恐ろしさ。ありがとう西伊豆。

(静岡市立美和小学校 児童)

子どもたちの感想の中に、西伊豆のように優しい人になりたいという言葉がありました。子どもは、人にとって何が大切か、人が社会の中で生活するためには、どんな態度や心がうれしいかを実感したのでしょう。日本の良さ、日本文化の素晴らしさ、人との交わり方、人の生き方などを学ぶのに最適な3日間だったと強く思っています。

(静岡市立美和小学校 )

西伊豆の修学旅行における教育効果  静岡県では、多くの小学校が修学旅行で東京(ディズニーランド等)に行きます…静岡市立美和小学校では、平成23年度に、修学旅行の行き先を漁村の宿泊体験活動が可能な西伊豆地域に変更しました。当初は子どもたちを始め父兄からも「修学旅行で、同級生とディズニーランドに行くのを楽しみにしていたのに…」など反対意見も多かったのですが、下見に出向いた先生方が、豊富な体験プログラムと民宿のお母さん方のホスピタリティに感激し、子どもたちや父兄にへの説明会で熱心に現地の状況を伝え、初の県内修学旅行が実現しました。  天候に恵まれ、子どもたちも「シーカヤック」や「シュノーケリング」などの海のアクティビティに加え、カツオ漁港として栄えた田子地区での「鰹節削り体験」や仁科漁港における「イカさばき体験」など漁村ならではの体験に大はしゃぎ。また、少人数に分かれての漁家民宿での宿泊・生活体験では、厳しくも優しい民宿のお母さん方のもてなしや生活体験に大いに感動し、3日目の離海式では感極まった子どもたちの涙の挨拶に、思わずお母さん方も涙ぐむ場面もありました。  修学旅行終了後も、事後学習などを通じて地域と学校との交流は続いています。校長先生は、「修学旅行から帰った後、子どもたちの学習への取り組み姿勢にも積極性が見られた他、学校生活の面でも、下級生を思いやる姿勢が顕著に見受けられるなど、大きな教育効果がありました」と話されています。 <子どもたちの漁村受け入れガイドラインから抜粋(水産庁漁港整備部防災漁村課 平成24年3月発行)>

(静岡市立美和小学校 教諭)

受入先の声

2泊3日、自分の子どものように接しました。子どもたちも『お母さん、お母さん!』と懐いてくれて、帰ってきた時の笑顔がとても嬉しかったです。また、西伊豆に帰って来てくださいね。

(民宿のお母さん)

みんな元気ですか?たっちゃんです。西伊豆へ来てくれて本当にどうもありがとうね。みんなと一緒に過ごした三日間はとても楽しかったですよ〜。フェリーから始まった西伊豆修学旅行。入海式での挨拶はちょっと緊張していたけれど、すぐにワクワクしてきましたよね。鰹節を自分たちで削って食べた時の「おいしい〜」。ビニール袋にたっぷり入れて民宿で猫まんま…どうだったのかな?シュノーケリングでは青い熱帯魚をたくさん見ましたね。夕陽が海に沈むときは一緒に「ジューっ」って言いましたね。翌朝の漁村散歩では道路を歩いているカニにビックリしたり、船着き場で魚たちが泳ぐのを見たり、地元の子どもたちが飛び込む岩の高さに驚きましたね。目をつぶって開いたときに見えた海の道、トンボロを渡って、潮だまりで海の生き物観察では、初めおっかなびっくり触っていたのが、最後には泳いでいましたね…。岸壁釣り体験ではコツを覚えた子が、まだ釣れないでいた人に教えるシーンを見て嬉しかったですよ。全員が釣れるまで帰らないぞ!って思っていましたが、最後までねばって全員成功、あの拍手は忘れられません。漁船では椅子に座る子は誰もいなくて、舳先に座っていましたね。波を越えるたびに「気持ちいい〜」。校長先生だけが落ちないかと冷や冷やしていたのですよ。あっという間に三日目になりましたね。お寺での座禅体験では、静かな境内の中でセミの声が響いていましたね。三日間をゆっくりと振り返る時間だったのかな。そして西伊豆の郷土料理、潮かつお茶漬けは美味しかったですか?残さずに食べてくれるかな、食べられない子がいたらどうしよう…って思っていたのだけれど、全員が完食。おかわりする子もたくさんいてホッとしました。ずっとカツオにかかわるストーリーで体験をしてきました。西伊豆の潮カツオ、また食べに来て欲しいなぁ。 さて、一番肝心な漁家民宿での体験はどうでしたか?お母さん、お父さんととっても仲良しになれたって聞いていますよ。ご飯を一緒に食べたり、配膳やお片付け、そしてお掃除もしてくれたとか。男の子のチームはお父さんと一緒にお風呂に入ったり、お話を聞きながら寝たそうですね。きっと楽しい二晩だったことでしょうね。そうそう、海女さんのお母さんはウェットスーツ姿になって海女のお仕事を教えてくれたのだそうですね。真夏なのに暑かったでしょうね。そんなお母さん、お父さんとの思い出は一生忘れないことでしょうね。最後の離海式の時に流した涙を、たっちゃんは忘れませんよ。みんな感謝の気持ちを一生懸命、言葉にしていましたね。心にズドンと響きました。お母さんたちも泣いていましたね。やすみ荘のお母さんがこう言ったよね…「何かあったら家出してきてもいいんだよ。でもその時は西伊豆のやすみ荘に行くって言ってからネ」たった三日間でしたがみんなは西伊豆の子どもになったのですよ。みんな西伊豆が第二のふるさとになったのだから。いつでも帰ってきてね。その時は「ただいま〜」って言うんだよ。「お帰り〜」って迎えるからね。 [たっちゃん、こと鈴木達志より美和の子どもたちへ]

(NPO法人伊豆自然学校理事長 鈴木達志)

体験日程&内容

2泊3日

料金:
20,000円以上30,000円未満
  • 1,000円未満
  • 1,000円以上2,500円未満
  • 2,500円以上5,000円未満
  • 5,000円以上10,000円未満
  • 10,000円以上20,000円未満
  • 20,000円以上30,000円未満
  • 30,000円以上40,000円未満
  • 40,000円以上
 

1日目

8時~9時
フェリー乗船体験

静岡市の清水港と伊豆の土肥港を結ぶ駿河湾フェリーに乗船しました。単なる移動手段ではなく、ブリッジ見学とロープワーク体験を行い、船の仕組みや乗組員の仕事内容について学習しました。駿河湾から壮大な富士山を眺めることができ、子どもたちは喜びました。

バスで30分

9時45分
入海式 

カネサ鰹節商店で入海式を行い、協議会の人たちと子どもたちが対面しました。

10時~11時30分
カツオ節ってどうやって作るんだろう?(カツオ節削り体験)
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カツオ節ってどうやって作るんだろう?(カツオ節削り体験)

明治15年から続く鰹節工場を見学しました。職人の方が鰹を解体し、鰹節で使う部分などを教えてもらい、子どもたちは鰹節をカンナで削る体験を行いました。削った鰹節を味わい、パックに入った既製品との違いを感じました。

バスで15分

12時~12時30分
アウトドアランチ

黄金崎公園でお弁当を食べ、次の海の体験に備え力を蓄えました。

徒歩で10分

13時~15時30分
シュノーケリングでお魚たちに会いに行こう(シュノーケリング体験)
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シュノーケリングでお魚たちに会いに行こう(シュノーケリング体験)

黄金崎根合海岸は、西伊豆一を誇る透明度の高い海。海は穏やかで、色鮮やかな魚のキュウセンを見つけたり、イワシの大群に取り囲まれたりと存分に海の生き物とふれあいました。

バスで30分

16時30分
民宿へ移動

子どもたちと民宿のお母さんたちが初対面しました。事前にお互いが手紙交換をしているので、会った瞬間から、子どもたちは名前で呼んでもらいました。夕食では、民宿のお父さん、お母さんと話をしながら、漁村ならではの新鮮な魚料理を味わいました。夕食後、西伊豆町を散策し、ジオサイトの地層を観察したり、夕陽を見に行ったりしました。西伊豆町は夕陽百選に選ばれるほど夕陽が美しく見られる「夕陽のまち」です。この日はあいにく、雲に太陽が隠れて見えませんでしたが、翌日、念願の美しい夕陽を見ることができました。

2日目

6時30分
朝食

朝起きて、30分くらい枯野公園を散歩した後、民宿で朝食をいただきました。

徒歩で30分

9時30分~11時30分
海の道を歩こう(トンボロ渡り体験)
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海の道を歩こう(トンボロ渡り体験)

西伊豆町の堂ヶ島では、全国で唯一、干潮になると海が割れ、海岸と島とを結ぶ道ができるトンボロ現象が起こります。この道を歩きながら、潮だまりで生き物の観察を行いました。魚やカニ、タコを発見し、タコは民宿に持ち帰って夕食としていただき、冷凍ものではないホンモノの味を味わいました。

徒歩で30分

12時
昼食

ただいま〜。民宿でお母さんとおにぎりと漬物の家庭的な食事をとりました。

徒歩で15分

13時30分~15時
西伊豆の美しい海で釣り体験
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西伊豆の美しい海で釣り体験

仁科漁港の防潮堤で魚の一本釣りを行いました。釣り上げると、魚がピチピチ跳ね、生きた魚の感触を感じました。また、子どもたち全員が魚を釣り上げることができ、その達成感と充実感をみんなで味わいました。食べられる魚は民宿のお母さんに調理してもらいおいしくいただきました。

徒歩で10分

15時30~16時
漁船乗船体験
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漁船乗船体験

普段漁師が使用している漁船に乗り込み、駿河湾へ出航しました。水しぶきを上げ、風を切って進む漁船に大興奮。ジオサイトの洞窟の入り口まで案内してもらい、間近で岩肌を見ることができました。

3日目

6時30分
漁家民宿での朝食

飾らない普段、普通に食べている料理を食べて家族になります

9時30分~10時45分
帰一寺で過ごす。

お寺で座禅を行い、それぞれが西伊豆町で体験したことや民宿のお母さんとふれあったことなど、この2泊3日のできごとを振り返り、自分を見つめ直すことができました。

バスで30分

11時15分
郷土料理を味わってもらいました

魚李亭にて、西伊豆の名産の「潮かつお」の定食をいただきました。このメニューは小学生の教育旅行向けに開発したものです

12時45分~13時20分
離海式

堂ヶ島ビジターセンター伊豆自然学校にて、西伊豆の人たちとお別れの挨拶をしました。子どもたちが一人ずつ、西伊豆町の体験の感想を言いました。楽しかった様々な体験のことやお母さんとの民泊体験のこと。話している途中、感極まって多くの子どもが泣いてしまいました。西伊豆の人たちに、また帰ってくることを約束し、子どもたちは帰って行きました。

学習の流れ

事前学習
西伊豆の産業や環境、海の体験で見られるような海中生物を学習します。産業の面では、漁業や「鰹のまち」として鰹漁で栄えていた歴史を学び、西伊豆町の風土や食文化を学びます。環境の面では、西伊豆の自然に恵まれた美しい海や、ジオサイトなどの環境資源などの予備知識を身につけます。また、海に生息する生物の種類や生態を学ぶことで、関心をもって体験学習に臨むことができます。
事後学習
住んでいる地域の産業や自然資源、環境、歴史文化の学習を行い、伝統文化や地域活性化のために取り組んでいることを知り、地域の理解、関心を深めます。西伊豆町やその他の地域との違いを見つけることで、自分の住んでいる地域を誇り、愛する心を身につけ、他の地域を尊重する心を育みます。